New Normal時代に対応するチームづくりをしようと思った話。

篠原
篠原

先日Adobe主催のオンラインセミナー【New Normal時代の中で、なぜいまUXを考える必要があるのか?】を受講してきました。

新型コロナウイルスにより、たった数ヶ月の期間で人々の意識や生活様式など、今までの日常(Normal)が大きく変化しました。
その流れの中でNew Normalな日常、つまり「新しい日常」「不可逆の世界」が生み出されたわけです。
もし事態が収束しても、このNew Normalで築かれた特定の価値観や行動様式は元に戻らないでしょう。

今回は、そのNew Normal時代に対応していくチームづくりをしていくためにはどうすればいいのかを、セミナーの振り返りと、セミナー後に実際に弊社のチーム内ではじめた取り組みを踏まえて紹介していきたいと思います。

New Normal時代の到来

前述したように、新型コロナウイルスにより、全く異なった常識や価値観が生まれ、私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。

2020年がこんなことになっているなんて、一体誰が予測できたでしょうか。
予測不可能な事態が次々と起こり、その度にわたしたちは臨機応変な対応をしなければなりませんでした。
それはもちろん普段の暮らしや私生活のみならず、仕事においても言えることです。
今まで以上に変化に敏感になり、より柔軟に考え、動くスキルが求められる時代になりました。

VUCAの時代

VUCAとは、下記の4つのキーワードの頭文字をとった言葉です。

  • V:Volatility(変動性)→価値観/ニーズの多様化
  • U:Uncertainty(不確実性)→予測不可能な事象
  • C:Complexity(複雑性)→グローバル化
  • A:Ambiguity(曖昧性)→絶対的な解決策がない

現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するのに用いられるキーワードですが、
一言で言うと”予測不可能な状態”
まさに現代の社会を表すのにぴったりの言葉ですね。

では、このNew NormalなVUCA時代(横文字多すぎて意識がだいぶ高そうに感じます)に、私たちはどのように対応していくべきなのでしょうか。

Adobeの提案する解決法

まず前提として、
「こうすれば成功する」ではなく、
「こうすれば大きな失敗はしない」という考え方をしていくべきだといいます。

Adobeの提案するVUCA時代に対応する解決法としては、PDCAサイクルよりも高速なOODAループを取り入れるという方法が挙げられていました。
予測不可能な状態であるVUCA時代に対応するには、PDCAでは想定外の事に適応していくことが難しいからでしょう。

OODAループとは?


先の読めない状況で成果を出すための意思決定方法です。
「観察(Observe)」、「仮説構築(Orient)」、「意思決定(Decide)」、「実行(Act)」の4つのキーワードの頭文字をとって、OODAループと呼ばれています。

想定外のことが起きた時に、即座に軌道修正し物事に適応するためには、臨機応変に判断し行動を起こすことが求められます。

Adobeの実践例

Adobeが実践した具体例としては、AdobeXDの開発が挙げられていました。

従来までのAdobe製品は、

  • パッケージ製品の発売に合わせて開発
  • 時間をかけた完璧な事業計画(計画重視)
  • 営業マーケティングに頼り力技で売る

といった流れの中でつくられていたそうです。
人間的要素を重視するOODAループとは異なり、手順を重視したPDCAサイクルになっています。

それにより、

  • 誰も使わない機能が増えて動作が重い
  • 製品サイクルが遅すぎて、顧客が要求したイノベーションに追いつかない
  • 他社の製品にユーザが流れる

といった結果になってしまっていたそうです。

新しい開発方法で問題解決へ

これを解決するべく、AdobeXDの開発時には

  • 小さな製品サービスを素早く提供
  • 何度も仮説検証を繰り返す
  • 最適化とPivot
  • 柔軟性とスピードを重視

といった開発方法にシフトし、その結果、

  • スピードが重要
  • 開発サイクルを短い間隔で反復することで無駄な時間やリソースを省く
  • 学びを全員で共有できるチームを目指す

という解決方法が導き出されたとのことです。

自社サービスの開発時に思っていたことってこれだったんだな…と感じました。
リリース日などに合わせた開発方法をしてしまうと、完成した時に「これって本当に今顧客が求めているものなんだろうか?」とひっかかってしまうサービスが出来てしまったりするんですよね。
気付くと周りの状況が見えていない、作り手よがりな開発方法になってしまっているなんてことは往々にして起こり得ることです。
状況に応じて柔軟な判断や動き方が出来、かつ、無駄な時間やリソースを省けるような環境づくりが重要なことが分かります。

出来ることからはじめるチームづくり

以上のことを踏まえ、まずは自分が属しているチーム内でできることから始めてみました。

やったことその① 勉強会の実施

  • 学びを共有できる場の用意、環境づくり
  • 新しいものを導入することに意欲的になる
  • チーム全体としても個人としても常に学習し成長する

これらを目標にチーム内での勉強会がスタートしました。
恥ずかしながら弊社は社内でセミナーに参加するための制度などがないので、なかなか業務中の気づきや学びをチーム単位で共有する機会がありませんでした。
また、新しい知識やツールを導入する機会も無かったので、これを機にさらに広い範囲にアンテナを張っていけたらいいなと考えています。

やったことその② マニュアルへの落とし込み、テンプレート化

手順が決まっている毎月の保守作業などは、マニュアルに落とし込むことでミスの防止をし、説明をする側の手間・される側のメモにかかる時間の削減を目指しています。

また、デザインのコンセプトシートやスタイルガイドなど、必要になったら都度作成していた資料をテンプレート化しました。

これにより作業の効率化をはかっています。

まとめ

小さなところですが、まずは出来るところからこつこつと…。。
勉強会やマニュアル、資料のテンプレート化など、まだそんなことやってるの?と思われるかもしれませんが、わたしの所属するチームにとっては大きな一歩です。
もっと楽しく・やりやすく・効率的に業務をこなす環境を作る余地がある、そう思うとわくわくします!

今まで社内でやってこなかった制度や働き方を積極的に取り入れて、
これから来る予測不可能な状況にも対応していけるようなチームづくりをしていきたいですね。

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